新規無料ユーザ登録はコチラ

携帯版4enサイトへのアクセス方法

4enでは現在スタッフを募集しています

過去のTHE BIG ISSUE記事

THE BIG ISSUE は、ホームレスの人しか売り手になることができないユニークな雑誌です。
雑誌を作り、その販売という仕事を提供することで、ホームレスの人々の自立を支援しています。

1991年にイギリス・ロンドンで始まったこの事業は、今では世界各地に広がっています。
THE BIG ISSUE は、イギリスなどではチャリティの一つとして最も有名なものの一つであり、THE BIG ISSUEの表紙を飾ることは一種のステータスにもなっています。

日本では2003年大阪から販売が始まりましたが、創刊14周年を迎える2017年までに、北は北海道から南は鹿児島まで15の都道府県の路上で販売しており、今後の展開が注目されています。

BIG ISSUE375 ビッグイシュー日本版 375号 CONTENTS
【スペシャル企画】2020年 ボブからのメッセージ
『制作チームが再集結!進む、ボブの映画“第2弾” 「僕たちの新たな冒険をみんなと分かち合いたい」』

 日が短くなり、街中が冬の匂いに包まれていった数週間前のある日、ボブと僕は西ロンドンのせまくて薄汚いアパートにこもっていた。家具もまばらなその部屋は、電気代が未納だったこともあって、ただ寒くて暗かった。食べものを温めたりお湯を沸かしたりするには、キッチンに並べた小さなロウソクに鍋をかざすしかなかった。食べるものなんてろくになくて、棚はほとんど空っぽだったけれど。
 部屋を見渡して、暗くてつらかった日々の記憶が瞬時によみがえってきた。路上生活から脱し、ちょうどこんなアパートに住んでいたあの頃、僕は(薬物)依存症から抜け出そうとしていた。いつ電気が止められるかと、ビクビクしながら…。まるで10年前に逆戻りしたような気分だった。ある意味、本当に逆戻りしていたのだけど。
 それは(英国)トゥイッケナム撮影所のスタジオに再現された「あのアパート」だった。その日、ボブと僕は『A Gift From Bob(ボブからの贈りもの)』という新しい映画の撮影に参加していた。原作は2014年に出版された同タイトルの本(邦訳本『ボブが教えてくれたこと』)。あれは10年、路上演奏とビッグイシューの販売で食いつないでいた頃、ロンドンの路上でボブと迎えた最後のクリスマスの話だった。厳しい冬を路上で過ごした日々の中で考えたことを、綴ってみたものだ。たとえば、自分が何も持っていなくても(当時の僕は実際そうだったけど)、人に何かを与えることはいつでもできるということ。自分より貧しい人びとが常に存在するということ。そして、自分が恵まれてきた友情や人とのつながりに感謝すべきであること。あのひどく寒かった冬は、今の僕にぴったりな、もう一つの大事なことを教えてくれた。それは「予期せぬことはいつでも起こりうる」ということだ。スタジオに再現されたあのアパートにボブと一緒に“帰る”ことになったのも、まさしくそれに当てはまる。うれしいサプライズ続きだった19年を締めくくるにふさわしい出来事だった。
 世界中の人々の心を温めた映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』の続編が、ついにクランクインした。公開は今年の12月頃を予定。原作者で元ビッグイシュー販売者のジェームズ・ボーエンとボブには最近、他にもうれしい転機が訪れたという。英国版に届いたボーエンのエッセイを掲載。

【特集】乗ってみる? 小さい交通
私の分岐点 ― 阿部裕介さん

ビッグイシュー公式サイトはこちら