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4enニュース

今、注目されているNPOの取り組みや社会問題を取り上げる4enニュースのページです。 まずは、私たちの社会がどんな問題を抱えているのかを知りませんか?

街中でふと考える

自殺大国日本 自殺大国日本 ■9年連続で自殺者3万人台
 07年6月、警察庁が発表した統計によると、06年中の自殺者は
32,155人に上り、98年以降9年連続3万人台となった。昨年に比べ、1.2%(397人)の減少が見られましたが、依然として高い自殺率であると言えます。
 近年、景気回復、雇用拡大等、明るい話題を聞く事も多くなり、自殺者数の減少が期待されましたが、それほど大きな自殺者数の減少は見られませんでした。自殺の動機(遺書がある場合のみ)については、「健康問題」が41.5%、次いで「経済・生活問題」が28.8%、「家庭問題」が10.0%、「勤務問題」が6.8%、「男女問題」が2.8%と続いています。ただ、景気の拡大が始まった02年以降からの統計を見ると、03年の自殺動機「経済・生活問題」が35.2%をピークとし、年々減少しています。短絡的に大きな関連性があるとは言い切れませんが、全く無関係とも言えないでしょう。

■増加傾向にある若者の自殺
 今回の発表では、若者(19歳以下)の自殺率は約2%、学生・生徒の自殺率は2.9%(886人)となっています。全体とすれば少ない数字かもしれませんが、統計開始の78年以降、過去最高となっており、看過出来る問題ではありません。
 若者達の自殺の原因については憶測の飛び交うところですが、読売新聞(03年)の12歳から19歳までの若者を対象にした調査で、「日本の将来は明るいと思うか?」と言う問いに対し、74.8%が「暗い・どちらかといえば暗い」と回答しており、将来について明るく思っている人は少ない結果となっています。また全体として「自由に生きたい」と思っている若者達が多い印象を受けます。
 物や食べ物のみならず、情報が溢れている現代において、自由に取捨選択ができ、一見素敵な社会のように感じます。しかし、精神的に発達中の若者達は、情報に翻弄された結果、どの情報が正しいのか分からず、ただ陳腐化された情報を前にし、より「自分らしさ」を求め、良くも悪くも考え方が極端な方向に向かう事も多くあると感じます。
 芸術家や著名人達の自殺についても、若者達に何かしらの刺激を与えている事も考えられるでしょう。

■[ゆとり]と[生きる力]
 ゆとり教育は02年度から実施され、「ゆとり世代」と呼ばれる世代(1987年4月以降生まれ)は06年度には高校を卒業しており、大学に進学した者は10年度には卒業します。ゆとり教育の是非については、彼らが今後どのような活躍をするのかにより評価はされるべきなのでしょうが、現時点で批判が多く、見直しもされている点から、性急過ぎた感も否めないでしょう。
 改めて元をたどってみると、ゆとり教育の方向性を明確に打ち出したのは、文部省(現・文部科学省)、中央教育審議会の「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(96年7月19日)によります。以下に第1次答申より引用してみました。

「・・・今後における教育の在り方として、[ゆとり]の中で、子供たちに[生きる力]をはぐくんでいくことが基本であると考えた。そして、[生きる力]は、学校・家庭・地域社会が相互に連携しつつ、社会全体ではぐくんでいくものであり、その育成は、大人一人一人が、社会のあらゆる場で取り組んでいくべき課題であると考えた。
・・・中略・・・
 我々はこれからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。我々は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし、これらをバランスよくはぐくんでいくことが重要であると考えた。・・・」(文部科学省 中央教育審議会 「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」 第一次答申)

 内容はとても素晴らしいもので、理念が間違っているとは思いにくいです。しかし、ゆとり教育を受けた若者たちに[生きる力]は育まれているのでしょうか。若者の自殺率増加の原因が、ゆとり教育にあるわけでは無いでしょうし、また根本的な原因が別にあり、ゆとり教育によって自殺率が抑えられているとも仮定できます。しかし、どれだけ[生きる力]が育まれたのかは分からないのです。
 学習内容、授業時数を削減する事無く[ゆとり]を作る事も出来ると思いますし、今後、学習指導要領も見直されていくでしょう。良いか悪いかは結果論に過ぎないのですから、後悔をしない様、私達は真剣に考え、選択をしていかなければならないでしょう。


参考:文部科学省(中央教育審議会 第一次答申)文部科学省(中央教育審議会  第一次答申)の情報へ警察庁警察庁の情報へ